シドニーでは毎年2月の第四木曜〜3月の第一土曜の間 Sydney Gay and Lesbian Mardi Grasというイベントが開催されています。 名前通りLGBTQIのお祭り、です。期間中様々な場所でイベントがあったり、美術館でパフォーマンスがあったり。町中がレインボーになっています。 最後のイベント、土曜日のパレードは世界的にも有名な規模の大きいもので、30万人くらい見に来るそう。そしてパレード後のアフターパーティーも人気だそうです。今年はカイリーミノーグやカルヴィンハリスが来ました。 年末の花火大会同様、場所取りとかめんどそうだな〜と思いつつも前回ちょっと遠くから見ても楽しそうだったので今年はちゃんと早めにいって見にいってきました。 どんな感じかニュース動画でわかるかも↪︎ABCnews
パレードとっても華やかで、見に行くだけでも楽しいのですが歴史なんかも知ってみるとまた違った印象になるのでご紹介します。なんで?っていうことが色々わかると思います。 マルディグラ の歴史 1978年の6月24日デモ行進が起こります。当事NSW州では同性愛は犯罪扱いされていてそれに抵抗するものだったそうです。 許可を受けた合法的なデモだったにも関わらず、当事の警察は主催者のほとんどを逮捕して、新聞社は彼らの名前を公表。暴露された人々は職を失ったり…という状況だったそうです。 それに対して3回のデモが起こって、その度に逮捕者が出ました。 80年からはパレードに変化して、回数を重ねるごとに見物者も増え 今にいたるそうです。 (84年にシドニーのあるNSW州はやっと違法ではなくなる) ちなみに、2017年末に同性婚をめぐる選挙があり、同性結婚がみとめられました。 いいニュースですが、選挙期間中はYESかNOかという議論が続いて、当事者からすればきつい期間になってしまっていたようです。YESの声がおおきくても、NOの声も聞こえてきてしまうっていう状況が続いたということですね。そもそも当時の首相はそれを政策のひとつとして掲げていたのに、わざわざ選挙をした。ってことみたいです。 私が覚えてるのは街中で「You can say No」ってスローガンを貼りまくってる人がいたり、空に飛行機雲でNO って書かれてる日もありました。ワーホリでなんもしらなかったころ、おもしろくて写真を撮ったんだけど、後で意味を知り戦慄した・・・ パレードの参加者・フロート(日本語で言うなら山車?) 197の団体やグループが参加しているので全員は書ききれないのですが、どんな団体・企業がどんなテーマでパレードに参加しているのか公式サイトで確認できます;) 個人的に印象的だったものをご紹介します。
1,Dykes on Bikes Sydney, Boys on Bikesなど Dykesはレズビアンのことだそう、(niggerみたいな感じで普通に軽蔑用語) バイク行進、めちゃくちゃ気持ち良さそう。(ブンブン言わせてた) 個人的にはBoysの方でウェールズとレバノンの国旗をつけてるカップルがいて、なんかいいなと思った… (同性結婚の選挙結果で特に反対票が多かったのがシドニーのアラブコミュニティのある地区だったことが表しているように、アラブコミュニティのホモフォビア、難しい。(コーランで認めてないし)キリスト教の中でも禁止されているとはいえ(全ての宗派じゃないけど…)、オーストラリア全体的には賛成票が大多数で、けっこう右翼な地域でも賛成票がでてます。ただしクイーンズランド除く) それに、特にシドニーにはアラブ系の人がめっちゃくちゃ多いのに参加団体・企業の中にアラブのコミュニティ・団体が全くないことにも現れています。 そんな中、クーフィーヤ(男性が頭にかぶるやつ)を見かけてFooってなってしまった。ムスリムじゃないかもしれないけどね。笑 ⤵︎ ここからフロート 1,First Nations オーストラリア先住民たち。 バイク行進のあとまず先頭をきるのはアボリジニーの人たちでした。そうだよな・・!ってなった、 アボリジニフラッグの色(赤、黒、黄色)が目立ってました。 2,78ers – FEARLESS THEN, FEARLESS NOW! マルディグラ の始まりだった78年のデモ参加者たち。最初のデモに参加したひとたち、いまでは皆に讃えられて拍手喝采、みんながFooooって叫ぶ。
4,Qlife – 1 + 1 = Q 匿名でカウンセリングサービスを行ってるNPO 5. Trikone Australasia - South Asians 4 Equality 南アジアのコミュニティ。(多分主にインド)ちょっとボリウッド的な空気感があってかわいかった〜。 11. Chinese LGBTQI Community - Be Natural, Be Yourself 中国系のコミュニティ。ユニコーンとパステルカラー(赤とかじゃないのね!)のみんなのダンスかわいい。 アジア的なかわいらしさ。 14. GiRLTHING in Lesbos みんながギリシャ的な服装してて、レスボス島がレズビアンの語源だから、らしい。
21. Lifesavers with Pride - Creating Proud Beaches Across the Country ライフセーバーたち。みんなお世話になってるのとセクシーさからなのか?高揚感すごかった。 23. People with Disability Australia - The Fearless Express LGBTQIA + いろんな障害のある人たち、そのサポーターの参加。 24. Haka For Life - One Waka, One Love マオリ系の人たちがボートに乗って。「みんな同じボートに乗ってる、ヘテロセクシャルのみんなも団結してゆこう」、っていうメッセージだったらしい。ハカ、めっちゃかっこよかった。 26. ACON – ‘We Can’ HIVのサポートをしている会社。We love, We careっていうメッセージが見えてシンプルにYeeeeeesってなった 27. Rainbow Families NSW LGBTQIのファミリーたちのグループ。未来を恐れてないよっていうメッセージ。逆走してる子とかいてかわいかった。
42. NSW Police Force GLLOs (LGBTIQ Liaison Officers) & Allies 警察のバンドによるBorn this way (レディーガガ)の演奏。やっぱりこの曲が使われてるフロートは多かったです。そして演奏うまかった。 59. Dayenu: Jewish LGBT+ Sydney ユダヤ教のLGBT+コミュニティ!六芒星と、めっちゃくちゃ音質のわるいwたぶんイスラエルポップス?がながれてきました。
64. Gay Tradies 工事現場などで働く人たちからの参加、「どの場所にもどの業界にもゲイの人たちがいる、そしてうちらも!」っていう感じのメッセージ。現場で働くひとたちのための作業服が統一されていて、オレンジ・イエローの蛍光色のものなんですがそれからインスピレーションを得てるであろうドレスを着たドラァグのパフォーマーがいてかわいかったです。 118. R U OK? - Fearless Friends 自殺防止・精神的なサポートのNPO、Are you Ok?って友達に声をかけよう!という趣旨の団体。特にLGBTQIの人たちに自殺率などが高いという現実があるそうです。 132. Instagram インスタグラム社のフロートは流石にクオリティ高かった。(装飾に金かかってるー)絵文字いっぱい。笑 可愛かったー 134. Don't Forget Our Homeless LGBT "ホームレスのLGBTの人たちを忘れないでね!"クイアアイでもそういう子が番組にでていたけど、カミングアウトして家族に捨てられて一人で生きていくしかなくなるひとたちもいます。という・・・ 176. Transport for NSW - People at the Heart or Ride with Pride いつもお世話になってる交通機関の会社(電車・バス・フェリー)!いつも乗ってるバスが特別キラッキラのレインボー仕様になってました。行き先のところが、「 Mardigras 2019」になってました。ねこバス・・! 180. Community Action Against Homophobia - No Pride In Scott Morrison 同性愛嫌悪(ホモフォビア)に抵抗するコミュニティ、Scott Morrisonは今の総理です。彼は人種差別してるしトランスジェンダー嫌悪もあるじゃん!っていう主張。私はこのパレードでみんなが彼のことをスコモって呼んでることを知りました。 182. Refugee Action Coalition - No Pride In Detention ゲイ・プライド(英語: gay pride)はレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー(LGBT)の人々が自己の性的指向や性自認に誇りを持つべきとする概念を表す言葉である (Weblioより引用) No Pride In Detention の意味は、拘留されては誇れない ということになります。 セクシャリティを理由に難民となる人たちもいます。っていう リストから確認できなかったのですが SEX work is WORK ! っていうスローガンで行進するセックスワーカーの人たちもいました。 (たぶんセックスワーカーの団体というよりは、今年のテーマをセックスワーカーにしたものだと思われる) 他にも、いろんな国や地域からのグループ、女装、コスチュームフェチ、エイズ支援、スポーツクラブ(ゲイ専用のクラブとかもあったらしい。差別がもっと激しかった頃必要だったんですね)、スポーツ団体、おもな大学の生徒たち、科学のグループ、宗教グループ、美容学校に落ちた人たち?、軍、政党、おっきな企業、ホテル、ヴィンテージの服を着る人たち、女性の心をもつ男性、トラブルにあった女性の支援など・・・ちなみに締めはアムネスティーインターナショナルでした。なるほどー!!さすが!